収入と経費ばかりに気を取られてついつい忘れがちですが、青色申告の場合、事業に関係なくても事業用口座に預けてあるお金を引き出したり、預入をした場合はその記入をしなければなりません。
記入自体は簡単なのでわざわざ説明する必要もないと思いますが、私が初めて青色申告を会計ソフトでやった時に記入忘れしてしまったので念のためその方法についてご紹介していきます。
目次
事業主貸・事業主借をざっくりと説明
事業主貸・事業主借というのは簡単に言うと”事業に関係ない支出や収入の時に使われる勘定科目です。
- 事業主貸:事業用口座からお金を引き出した時などに使う
- 事業主借:事業用口座に個人的なお金を預けた時などに使う
事業主というのは自分=口座で、お金を貸すか借りるかで仕訳できます。
■事業用口座から遊びのために10万円引き出した
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
事業主貸 | 100,000円 | 普通預金 | 100,000円 |
■事業用口座Aから10万円お金を引き出し、そのうち5万円を別の事業用口座Bに預け入れた
【事業用口座A】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
事業主貸 | 100,000円 | 普通預金 | 100,000円 |
【事業用口座B】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
事業主借 | 50,000円 | 普通預金 | 50,000円 |
基本的にこの記入だけで大丈夫です。
プライベートで使うための5万円についてわざわざ記入する必要はありません。
その5万円をコンビニで買った飲み物、食べ物、交通費とか交際費とか細かく分類していったらきりがありませんし、すべて覚えてるって不可能です。
また、事業用口座から支払った場合でもその詳細を明記する必要はなく【事業主貸】とだけ記入すればOK。
引き出した時と預け入れをしたとき、つまり通帳に残る時だけこんな感じで記入すれば問題ありませんよ。
私用と事業用が一緒のクレジットカードだと仕訳がちょっと面倒臭い
事業用のクレジットカードを作っている人は、仕訳も単純にすべて経費にすればいいだけなので比較的ラクですが、私用と事業用が混合していると、ここから経費で使った仕訳とプライベートで使った仕訳をしなければなりません。
ちょっとわかりずらいの例を挙げてみます。
■5月27日にクレジットカードで10万円引き落とされたうち2万円が経費に使った
この場合は8万円が使用で使ったお金で、残りの2万円が経費ということになります。
【4月4日(購入した日付)】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品費 | 20,000円 | 未払金 | 20,000円 |
クレジットカードの場合、未払金を使って処理します。
残り8万円はプライベートで購入したものなので、この時点で処理はしません。
そして、最後に振替を行います。
【5月27日(クレジットの引き落とし日)】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未払金 | 20,000円 | 普通預金 | 100,000円 |
事業主貸 | 80,000円 |
これでプライベートで払ったお金8万円と経費として計上できる2万円の合計10万円が普通預金より引き落とされた処理が完了。
処理自体はそんなに難しくはないのですが、実際はもっと数字が細かくて、何品も購入しているので計算が面倒なんですよね。
計算してみて、最終的にそれが合っているか数字を確認しないといけないし、間違っていた場合どこでミスったのか再計算しないといけないのでこれがほんと面倒です。
よく「事業用とプライベートで使うクレジットカードは分けた方がいい」って話を聞きますが、分けないと自分でいちいち計算する羽目になって面倒だってことですね。やってみて改めて感じましたよ。
やよいでの具体的な記入方法
実際に私が使っているやよいオンラインでの仕訳方法をまとめてみました。
■事業用口座から遊びのために10万円引き出した
ちなみに【支出】画面から入力しても【振替】として分類されます。
■別の事業用口座に5万円を預け入れた
こちらも同様に【収入】画面から入力しても事業主借として記入しているため【振替】に分類されます。
クレジットの記入方法
クレジットの場合は複数購入して引き落とし日にまとめてお金が引き落とされます。
- 5月4日に経費2万円分を購入
- ※5月8日にプライベート1万円分を購入
- 5月15日に経費3万円分を購入
- ※5月17日にプライベート4万円分を購入
これらが6月27日にまとめて引き落とされたと仮定します。
普通はクレジットの処理って【未払金】なんですけど、やよいだと【クレジットカード】という項目があり、これが未払金の役割も果たしていてわかりやすいのでこっちで処理しています。
購入日の仕訳は経費に関係あるものだけ記入し、プライベートで使ったお金は引き落とし日にまとめて振替するので購入した仕訳をする必要はありません。
おそらくいくつか仕訳方法はあると思いますが、クレジットで買った経費類は引き落とし日にまとめて仕訳してもいいですし、1つ1つ仕訳するやり方でも間違いではありません。金額が合っていればいいので。
【6月27日(クレジットの引き落とし日)】
クレジットで支払われる経費合計をまとめて仕訳していますが、2万円、3万円の処理を別々に行っても構いません。
こちらは事業主貸(プライベートで使ったお金)の処理です。まとめて処理しています。
まとめ:処理は簡単だけど計算が面倒なのでクレジットの処理は注意して
処理自体はなんてことはないので調べて一度覚えてしまえば簡単です。
ただ、実際にやってるとクレジットが私用と混合していると少し手間がかかって面倒だなと感じました。
私の場合は最初にクレジットで支払ったものの中で経費にできるものをまとめてリストアップしてエクセルに表示させて、そのあとクレジット払いの金額をすべて入力。最後にクレジットで支払った金額から経費分を引いて1月~12月分を計算しています。
こういう部分で計算を間違えると期末残高が一致しなくなるので、記入が終わったら数字が間違っていないかよく確認してみだください。
間違いなどあれば指摘していただけると幸いです!
コメントを残す